高校イギリス語学研修が、今日から始まりました。今年は高1~2希望者20名が参加します。イギリスの語学研修というと、今から6年前の2008年のことを懐かしく思い出します。
毎年英語科教員が引率していたのですが、その年は希望者が予想以上に多くなり、引率を急きょ1名増やすことになり、その1名が私になったのです。
英語科ではない私も、現地ではなんとホームステイすることになり、モーバンの閑静な住宅地にある老夫婦宅にお世話になりました。英語もままならない私は、参加生徒と同様に緊張し、会話に悪戦苦闘し、しかしその分だけとても思い出深く、帰国後もその老夫婦とは、1年に1回ぐらいのペースで手紙のやりとりをしています。
その年は、私がステイした老夫婦の娘さん夫婦のご家庭にも、本校生徒がお世話になりました。実は今年も、その娘さん夫婦のご家庭にお世話になる生徒がいると知り、「今がその、1年に1回、気合いを入れて手紙を書く時だ」と一念発起して、老夫婦宛の手紙を書きました。内容がまとまってからは、本校のネイティブ教員にも添削してもらったので、きっとスムーズに読んでいただけるはずです。その手紙は、娘さん夫婦のお宅にステイする生徒に託しました。
当時、毎朝モーニングティーを寝室に持ってきてくれたり、休日はファミリーと一緒に映画「マンマ・ミーア」を観に行ったり、老夫婦が毎週日曜日に礼拝に通っていた「Little Malvern Priory」に私も同行し、その時の感想を拙い英語で話すと、その内容を機関誌に掲載してくれたり…、当時の日々を思い出すたびに、懐かしさがこみ上げてきます。
ただ、ファミリーとのコミュニケーションは、最後まで悪戦苦闘でした。参加した生徒の中にも、ファミリーとうまくコミュニケーションできないと悩む生徒がいて、毎朝のミーティングでは、そういう生徒たちと「作戦会議」をしていたことも懐かしい思い出です。
“昼間のうちに、今日の出来事をできるだけ短文で、二つか三つ用意しておこう。夕方にホストファミリーの家に着いたら、先方から尋ねられる前に、こちらから「今日の出来事」を、勇気を持って言ってみよう!”
生徒とのやりとり(作戦会議)の中で、この作戦が一番、功を奏しました。私もそうですが、実践した生徒も、翌朝は笑顔で「うまくいきました!」と報告してくれました。
そんなことを思い出しながら書いているのですが、今年の研修に参加した生徒たちが、さまざまな経験を重ねてコミュニケーション力を付け、たくさんの思い出を持って帰国してくれることを切に願っています。