学校法人 北豊島学園
北豊島中学校・高等学校
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3年生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。
みなさんの北豊島での学園生活はどうでしたか。
みなさんは昨年末に来日されたブータン国王夫妻を覚えていますか。
ブータンという国は、中央アジアの小さな国で、決して経済的に発展している国とは言えません。
でも、そのような国でも、国民の総幸福度は97%に達すると言われています。
このことは大きく報道され、みなさんもご存じのことと思います。
さて、北豊島での学園生活では、時には不満に思うことなどもあったかもしれません。
しかし、世界を見渡せば、
このように勉強する空間があって、教えて下さる先生方がいたということは、
とても幸せなことであったのではないでしょうか。
みなさんは4月から新しい世界に挑みます。
つらいことや悲しいことにも直面することがあると思います。
でも、きっとお金で買えない幸せなひととき、幸せな空間もあることでしょう。
小さなことでも構わないので、幸福感を感じながら一日一日を生きていってほしいと思います。
そして、その小さな幸福を、ぜひみなさんの母校である北豊島にも、伝えに来てください。
平成24年3月10日
PTA会長
3年生の皆さん、そして保護者の皆様、ご卒業、誠におめでとうございます。
また、校長先生をはじめ、教職員の先生方、
今日までの情熱と愛情に溢れた日々のご指導、本当にありがとうございました。
心から感謝を申し上げます。
本日、晴れの卒業式を迎えた皆さんに、
保護者を代表して一言、お祝いを述べさせていただきます。
3月10日に込められた思い
北豊島高等学校の卒業式は、毎年必ず、3月10日に行われています。
なぜ3月10日なのか、担任の先生が語ってくれたその理由を、娘が教えてくれました。
今から66年前の今日(1945年3月10日)、太平洋戦争の末期、
10万人以上の民間人が死亡したとされる、アメリカ軍による東京大空襲がありました。
この空襲は、それまでの爆撃と異なり、
木造家屋が数多く密集する下町を、町工場もろとも焼き払うことが目的でした。
そのため、街中が火の海となり、何万人もの人々が生きながら焼け死んでいくという、
地獄絵図そのものであったそうです。
北豊島学園のあるこの地域も例外ではなく、あたり一面が焼け野原となり、
卒業を間近にしながら、楽しみにしていた卒業式を迎えることなく、
亡くなっていった子どもたちがたくさんいた。
このような悲劇があったことを私たちは決して忘れてはならない、との思いで、
北豊島の卒業式は3月10日と決めているのだと。
卒業式にこのような思いを込めている学校は、そう多くはないと思います。
そして、その思いは、そのまま、本校を卒業される皆さんへの、
“戦争や暴力のない、平和な社会を築いてほしい”との思いであり、
大きな期待でありましょう。
生命を大切にする女性の使命
現在、世界では、1年間に約1,100万人もの子どもたちが、5歳になる前に命を失っています。
これは1日に約3万人、なんと3秒に1人の割合で幼い命が失われているのです。
いま、私がこうして5分話す間に、100人の子どもたちが亡くなっていることになります。
これほど多くの子どもたちが、
卒業どころか、小学校に入学することさえできずに命を落としているのです。
死亡の原因は、半分以上が栄養不良と言われており、
その大半が貧困、災害や戦争などのために充分な食べものが手に入らないことによるものです。
このような世界の現実を前にしたとき、だからこそ、
生命を大切にし、育んでいこうとする女性の特質や、知恵と力を社会に反映していくことが
求められています。
心の通う人間らしい社会を取り戻すためには、女性の力が不可欠だからです。
その意味で、皆さん方には、これから更に学び、更に力をつけ、更に成長して、
地域や社会、そして世界に貢献していく、大きな使命があることを忘れないでほしいのです。
未来への希望を大いに燃やし、「卒業」という節目を、
力強く、全力で踏み出してほしいと心から念願し、お祝いの言葉とさせていただきます。
ご卒業、心からおめでとう!
平成23年3月10日
PTA会長