昨日のテレビで都心の桜が満開というニュースがあり、学校の桜はどうだろうと思いつつ、今日は学校の桜を見るのを楽しみに来ました。
東館校舎に沿って植えられた今日の桜の様子は、左の写真の通りです。北豊島の桜も見頃を迎えました。真ん中と右の写真は、東館2階の教室から撮ったものです。
何年も前のことですが、入学式当日(4/8)に満開となり、新入生や保護者のみなさまを迎えることができたのを懐かしく思い出します。
今年の様子では、入学式当日はどうなっていることでしょう。
毎年のように学校の桜が満開になる時期を楽しみにしていますが、今年はいつまで見頃が続くかと考えると、平安時代の歌物語『伊勢物語』第82段(渚の院)に出てくる和歌が浮かんできます。
世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし
この歌は、見頃を迎えた桜を目の前にして「右の馬の頭」(在原業平のこと)が詠んだと伝えられるものです。
【この世に桜がなかったら、春を過ごす心は、いつ桜が散ってしまうだろうとハラハラせずに、のんびりと過ごせるのに。】という意味。
この歌に対して、その場にいた別の人は次のように詠みます。
散ればこそいとど桜はめでたけれ憂き世に何か久しかるべき
【散るからこそ、よりいっそう桜は素晴らしいのだ。こんなつらい世の中に、いつまでも変わらずに続くものなんてあるわけがない。】という意味。
業平が詠んだ歌を逆手にとって、桜の素晴らしさを強調しています。いつまでも満開であり続けるなら、こんなに桜を愛でることはないだろうという論理、なるほどと思わせる説得力がありますが、和歌にしては論理的すぎるようにも感じられます。
北豊島の桜は、いったいいつまで見ることができるだろうか…。
4月8日に入学式を迎える側としては、とても複雑な心境です。