本校の校歌は歴史が古いだけに、使われていることばも古めかしいものとなっています。
歌詞の内容を理解してもらうため、高1合宿オリエンテーションでは校歌に込められた思いについて解説しています。
3月に入り、高3生は卒業式が間近に迫っているため、みんなで校歌を歌う機会は卒業式が最後になることでしょう。
以下が北豊島の校歌です。左側が歌詞、右の( )の中は内容をわかりやすく説明したものです。
一 天地のむた 極みなく (天地に限りがないように 永遠に)
世界に輝く 日の本の (世界に光り輝く 日本の)
婦人の分に 目覚めつつ (女性のあるべき姿を 意識して)
真の道を 雄々しく行かん (正しい道を 勇気を持って元気よく進もう)
いざ乙女子 我等 (さあ、がんばろう 乙女である私たち)
二 朝日に匂う 桜花 (朝日を浴びて美しく映える 桜の花のように)
心の色も 言の葉も (心も ことばも)
気高く清く 淑やかに (気高く清く しとやかに)
知徳を磨き 鍛えん体を (知恵と人格を磨き 身体を鍛えよう)
いざ乙女子 我等 (さあ、がんばろう 乙女である私たち)
一番の「婦人の分に 目覚めつつ 真の道を 雄々しく行かん」は、( )の中をご覧いただければわかるように、創立者が大切にしていた思い、つまり「社会に出て活躍できる女性」を育てるために、一人ひとりの良いところをしっかり自覚して、その良いところを伸ばしていこうといった思いが込められています。
女子校の中には「良妻賢母」を育てるために創立された学校もありますが、本校は創立当初から「女性の社会進出」を念頭に置いた教育活動を展開していました。その気概が伝わる歌詞と言えます。
一方、二番は、
「朝日に匂う 桜花 心の色も 言の葉も 気高く清く 淑やかに」と、一変してやわらかいことばが続きます。
しかし、その後は「知徳を磨き 鍛えん体を」と、本校が目指している教育目標が力強く掲げられ、二番の歌詞全体としては、本校の校訓「誠実、和敬、温雅」を意識したものになっています。
在校生には、歌詞全体からくみ取れる創立者の思い、そして本校の教育目標などを、歌う度に意識しながら学校生活を送る際の指針にしてくれたらと願っています。
また、卒業する高3生には、北豊島で過ごした学校生活を振り返るだけでなく、改めて校歌の内容をかみしめながら、次の進路へと羽ばたいていってほしいと思います。