北豊島中学校・高等学校ではリベラルアーツ教育と英語教育に力を入れ、社会で活躍できる女性の育成を目指しています

学校法人 北豊島学園
北豊島中学校・高等学校

 

〒116-8555

東京都荒川区

東尾久6-34-24

 

TEL.03-3895-4490
FAX.03-3819-3554

 

学校長によるブログ

 
フォーム
 
美術版「誠実」「和敬」「温雅」
2014-10-11
今日から北桜祭、舞台発表日でした。
明日の一般公開に向けて、展示の様子を見ようと校内を散策していると、美術のコーナーで、はたと立ち止まってしまいました。
 
きれいな水彩ですが、どこか不思議な感じが…
よく見ると、絵の中に本校の校訓「誠実」「和敬」「温雅」が組み込まれているではないですか!
 
「誠実」がまず目に入ってきて気づいたのですが、「和敬」「温雅」だけだったら、気がつかなかったかもしれません。
 
美術の先生に聞いてみると、私が年度始めに、生徒に校訓を意識した学校生活を送らせたいと言ったことでひらめいたとのこと。イメージ図を描くのに、「誠実」「和敬」「温雅」から好きなものを選んで、各自のイメージ図を描いてもらったのだそうです。
 
まさか美術のコーナーで「誠実」「和敬」「温雅」に出会えるとは思わなかったので、うれしくて写真を撮ってしまいました(左から、誠実、和敬、温雅です)。
 
いかがですか。
今回は3枚だけしかご紹介できませんが、それぞれの校訓の意味が、絵の中に染み込んでいるような気がしませんか。
 
 
百人一首の暗誦
2014-10-10
中学の古典の授業では、主として百人一首を扱っています。
私が担当している中1では、授業で学習した歌(1回の授業で2首ずつ)について、次回の授業で一人ひとりに暗唱テストを行っています。
 
ほとんどの生徒がしっかり覚えてきて、テストでは合格するのですが、その暗唱テストの最中は、意外と和やかな雰囲気になります。
 
もちろんテストですから、他の生徒は静かに待機しているのですが、暗誦する時の生徒たちは、一人ひとりがとても個性的です。
 
私の目を見てすらすらと暗誦する生徒もいれば、斜め45度を見上げながら暗誦する生徒、確認するように各句をゆっくり口にする生徒、早口であっという間に暗誦してしまう生徒、中には、人差し指を指揮棒のように振りながら、リズムを取って暗誦する生徒。
 
以前などは、途中まで言えたのに下の句の最初が出てこず、両手をグルグル回しながら一生懸命絞り出そうとしている生徒もいました。
 
中学の古典の授業では、基本的に「音読、命!」、「ノート、命!」
この二つをしっかりと実践しましょうと呼びかけています。古典のリズムに音読を通して慣れ、また、古典に親しむ態度が身につけば、中学段階では十分です。
 
 
「親」(みずから?)
2014-10-09
一昨日の漢文の授業で、「親」という字を副詞で「みづから」(歴史的仮名遣い)と読ませる部分がありました。
 
そこで、「親」という字の訓読みを確認したところ、生徒からはすぐに①「おや」と②「したしい」が出てきました。
 
小学校で学習する漢字ですから、当然と言えば当然です。ところが、漢文では③「みずから」と副詞で読む場合があって、この読み方をした時はけっこう重要なんですね。
 
重要漢字の意味を分類する時に、よく、その字を使って熟語を考えさせますが、①「おや」なら「両親」、②「したしい」なら「親切、親友、親睦…」といくらでも熟語は出てきます。
 
ところが、③「みずから」となると、なかなか熟語が出てきません。そこで、これから大学受験を控えている高3生にとって、出願の際に必要となる書類(願書、調査書)などを想起させ、「大学に提出する調査書の封筒に必ず書かれている赤い文字…」と私が言ったところで、「親展」という熟語が出てきました。
 
「親展」は「(宛名に書かれている本人が)みずから展(ひら)くことを求める」意味だと言うと、みんな納得。
 
他にも、歴史の授業には「親政」(天子がみずから政治を行うこと)が出てきますし、国際関係では「親書」(天子や宰相がみずから書く手紙)なども出てきます。
 
小学校で学習する漢字の中には、大学入試で問われるような、意外と重要な意味を含んでいる字が多いんですね。
 
 
ノーベル賞
2014-10-08
昨日、3人の日本人(赤崎勇氏、天野浩氏、中村修二氏)にノーベル物理学賞が贈られるという喜ばしいニュースを見て、私自身は何の関係もないのに、少々興奮してしまいました。
 
青色LEDの基礎研究から技術者による応用まで、高く評価されたことがうれしいと、2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏のコメントにありました。
 
スウェーデン王立科学アカデミーは、授賞の理由として「3人の発明は革命的で、20世紀は白熱電球の時代だったが、21世紀はLEDによって照らされる時代になった。誰もが失敗してきた中、3人は成功した。世界の消費電力のおよそ4分の1が照明に使われる中、LEDは地球環境の保護にも貢献している。LEDは電力の供給を受けにくい環境にある世界の15億人の生活の質を高める大きな可能性を秘めている」と述べており、青色LEDは「人類に最大の恩恵をもたらした発明」と称えています。
 
このニュースに関して言えば、ニュートリノの観測で2002年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊さんのコメントが、ユーモアたっぷりで私のお気に入りです。
 
「一番うらやましいのが実生活に役立つ発明で受賞されること。私は史上初めて自然に発生したニュートリノの観測に成功したことで受賞しましたが、これと言って実生活にお役に立ったという実感がありません。自分の発明で人々が幸せになる。その功績でノーベル賞をいただく。この上ない喜びでしょうね。」
 
ところで、ノーベル賞といえば、忘れられないことが一つあります。1994年、大江健三郎さんが文学賞を受賞した時のことです。
 
私が高3の時に現代文を担当してくれた先生は、とても個性的なベテラン教師で、或る話題にはまると、いつまでも熱く語るような先生でした。
 
その先生は、授業で扱う安部公房の「棒」という短編小説のプリントを配りながら、「この次、日本人がノーベル文学賞を受賞するとすれば、安部公房だなあ。うん、間違いない。」と独り言のようにつぶやいていたのです。
 
残念ながら、安部公房は平成5(1993)年に亡くなってしまいましたが、1994年にノーベル文学賞を受賞した大江健三郎が、カメラの前で話している映像をテレビで見て、私は思わずハッとさせられました。大江氏は、だいたい次のようなことを言っていたのです。
 
(私は、たまたま巡り合わせで今回ノーベル賞を受賞しましたが、本来なら、私の前に、日本人で文学賞を受賞してもおかしくない方々がいました。たとえば、安部公房…。)
 
高校時代の国語の先生の独り言と、ノーベル賞を受賞した大江氏が言ったことが、私の中でピタリと重なったのです。
 
今から20年も前のことですが、鳥肌が立つような思いをしたことが、昨日のことのように甦ってきます。
 
 
台風一過で…
2014-10-07
台風18号の影響で、本校は昨日、臨時休校の措置をとりました。
 
月曜日の授業は、振替休日やハッピーマンデーでつぶれることが多く、月曜日の授業担当者からは「またか…」といった嘆息が漏れ聞こえてきますが、それは私も同じで、中1の古典の授業が入っているのです。
 
そして今日、台風一過の秋晴れの中、高3の授業(漢文)を行いました。
 
「月曜日は授業がつぶれることが多くて困るんだよね。」と言うと、
「先生、火曜日もけっこうつぶれるんですよ。来週は北桜祭の代休で授業がありません。」という返答。
 
さすが3年生、授業がつぶれるのを大喜びしている生徒は一人も(?)いません。
 
今日からは、限られた時間内で問題を解く演習も始めました。
基本句形の小テストは、相変わらず毎回実施しています。
 
少しずつ本番を意識した授業が多くなっていきます。
そして、以前にも増して受験生らしい顔つきになってきた高3生の今後の飛躍を、大いに期待しています。
 
<<北豊島中学校・高等学校>> 〒116-8555 東京都荒川区東尾久6-34-24 TEL:03-3895-4490 FAX:03-3819-3554